知らないとまずい!マーケティングの4P・4C・4Aを解説
ビジネスや大学の経営学の授業などで使われたり、耳にすることが多いマーケティングの4P。実は4P以外にも4C、4Aというものもあるんです。4C、4Aってなに?という方も、そもそも4Pがわからないよ?という方も、この記事を読めばそれぞれの言葉の意味や違いまですっきりわかるように、経済学部の学生として経営学も学んでいる私が解説します!
この記事は、
マーケティングミックス/マーケティング戦略/4P/4C/4A
をこの順で解説していきます。
4P、4C、4Aとは
マーケティングミックスとは、マーケティング戦略を立てる際に使えるフレームワークのことです。そして「4P」とは、そのマーケティングミックスの中でも特に基本的な型のことをいいます。また、「4C」「4A」は、「4P」を発展させて考案されたものです。マーケティングミックスについて少し解説しましたが、もう少し具体的に見ていきましょう。
4P・4C・4Aマーケティングミックス戦略。マーケティングミックスとは
そもそもマーケティングミックスとは、「マーケティングで望んだ結果を得るために複数の手段を組み合わせて計画、実行すること」をいいます。「複数を組み合わせる」から「ミックス」なんですね。
〈具体例〉
たとえば10代女性向けに洋服を売り出そうとした場合、
若い世代は流行に敏感なので、トレンドを押さえた「商品開発」を行い、
10代というと子供なので彼女たちが親におねだりして買ってもらえる、もしくは自分のお小遣いで買うことができる「価格設定」を行い、
それを10代女性やその親たちが買い物に行くお店(たとえば地元のショッピングモール)に「流通」させ、
商品の存在を認知してもらうために、ティーン雑誌や若者の利用が多いインスタグラムなどに広告を出すなどして「販促」を行う。
このように、「商品開発」、「価格設定」、「流通」、「販促」といった複数の手段を組み合わせることが、マーケティングミックスなのです。
ちなみに、例であげた「商品開発」、「価格設定」、「流通」、「販促」の4つの組み合わせを4Pといいます。マーケティングミックスの中ではこの4Pが最も基本的な形です。次に、マーケティング戦略について見ていきます。
4P・4C・4Aマーケティングミックス戦略
マーケティングミックスはマーケティング戦略の一部でターゲットに働きかける具体的施策を考えるためのツールです。マーケティング戦略というのは、誰にどんな価値をどうやって提供するかを決め、それを実施することです。
「どうやって」の部分をコントロールできる様々な「手段」がマーケティングミックス(4P)です。マーケティング戦略立案の流れは以下のようになります。
マーケティング環境分析と市場機会の発見
↓
セグメンテーション
↓
ターゲティング
↓
ポジショニング
↓
マーケティングミックス(4P)
↓
マーケティング施策の実行と評価
次に、4Pを具体的にみていきます。
4P~マーケティングミックスの基本~
「4P」とはマーケティング理論(フレームワーク)のひとつです。企業がある商品を販売するために使用するマーケティング要素の組み合わせです。1960年、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱しました。
「4C」、「4A」と比較する際に注目して欲しいのは、「4P」は売り手側の視点であるということです。
「4P」の「P」をそれぞれ見ていくと、次のようになります。
Product(製品)製品、サービス、品質、デザイン、ブランド
・顧客が買いたくなるような製品か
・製品を顧客にどのように使ってもらいたいのか
・顧客のどのようなニーズを満たす製品になっているのか
つまり、「何を売るか」
たとえば花子が20代の女性をターゲットにした飲食店、「花子の店」を開こうとした場合、大盛りでスタミナ満点のメニューを多くするより、インスタ映えするカラフルで芸術性のあるメニューを多く取りそろえた方が良いということです。一方、大盛りでスタミナ満点のメニューであれば、働き盛りの若いサラリーマンをターゲットにすると良さそうですよね。
Price(価格)価格、割引、支払条件、信用取引
・顧客にとって適正なものか
・製品内容に紐付いている価格設定になっているか
・競合他社に対して、競争力のある価格になっているか
・割引や値引きは行うか
つまり、「いくらで売るか」
たとえば「花子の店」の場合、高級レストランのように高額な価格設定にしてしまうと、ターゲットとしているお客さんが来られなくなってしまいます。かといって、ファストフード店のような低価格な設定だとインスタ映えするようなこったメニューをつくることができなくなってしまうかもしれません。ですから、ターゲットに合わせた適切な価格を設定する必要があります。
Promotion(プロモーション)広告宣伝、ダイレクトマーケティング
・顧客の購買意欲を高めるには、どのような広告が良いか。
つまり、「どうやって売るか」
たとえば「花子の店」の場合、新聞で広告をだすよりも、SNSや口コミを活用した方が、より多くのターゲットに知ってもらうことができます。また、この飲食店の売りがインスタ映えするメニューであるならば、インスタグラムを活用した宣伝を行うことで、普段インスタグラムを利用していてインスタ映えに関心のある層に知ってもらえるので、お店のメニューと宣伝をする層の相性が良いことから、より多くの顧客を取り込める可能性があります。
Place(流通)チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫
・どこで、どんな店舗で販売するか
つまり、「どこで売るか」
たとえば「花子の店」の場合、居酒屋が並ぶ通りや、極端な話、山奥や、田んぼが広がる田舎よりも、都会のおしゃれな通りのほうが、ターゲットとしているお客さんが来てくれる可能性が高いですよね。ちなみに、山奥なら自然を求める観光客をターゲットにすると良さそうですよね。私の地元も避暑地としてよく観光客が訪れるのですが、「何でこんなところに」という、地元民には理解できないような山奥のおそば屋さんが繁盛していたりします。周りが田んぼだらけの田舎は、飲食店を開くのには向いていなさそうです。農家の方に密着した定食屋ならいいかもしれません。
「4P」の各要素は独立したものではありません。「4P」はそれぞれが密接に関わっています。ですので、これら4つの要素を掛け合わせることで「4P分析」の効果を発揮することができます。このとき、それぞれ整合性がとれているかどうかに注意しながら施策を考える必要があります。また、「4P」はマーケティング戦略の一部でしかないので、実際には「4P」の前後に行う施策も重要です。
~まとめ~
Product 何を売るか
Price いくらで売るか
Promotion どうやって売るか
Place どこで売るか
「4P」がまるっきりわからない!という方は、こちらの動画を参考にするといいですよ。
【ここに動画】
以下では、4C、4Aと、4Pとそれらの関係について見ていきましょう。
4C~売り手側から買い手側の視点へ~
もともとあった「4P」を買い手側の視点から再定義したものが「4C」です。1993年、ロバート・F・ロータボーンが提唱しました。
「4P」と比較する上で大切なのは、「4P」は売り手側の視点であるのに対して「4C」は買い手側の視点ということです。
「4C」のCをそれぞれ見ていくと次のようになります。
Customer Value(顧客にとっての価値)
・機能的価値、情緒的価値
お客様がどう感じるか
その商品やサービスを購入することでお客様がどのような価値を得ることができるのかということです。購入した後、お客様は便利さを感じるのか、楽しくなるのかなどを考えます。
Customer cost(顧客コスト)
・心理的なハードル(いいわけ、不安感)、物理的コスト(距離、時間)
お客様にとっていくらが妥当か
商品やサービスの価格がお客様にとって妥当なのかを考えます。また、コストには金銭面の負担だけでなく、その商品やサービスを購入するための時間的、心理的負担も含まれます。
Communication(コミュニケーション)
・ソーシャルメディア(ブログ、ツイッター、Facebook)各種イベント
お客様の声も聞く
企業とお客様の間でコミュニケーションがとれているかを考えます。「企業はお客様が望んでいる情報を届けることができているか」「お客様は商品やサービスに対する声を企業に届けることができているか」を重視します。
Convenience(入手容易性)
・買いやすさ
お客様はその商品を入手しやすいか
商品やサービスの入手のしやすさを表しています。お客様がその商品やサービスを簡単に購入できるかを考えます。
また、「4C」は「4P」を元につくられたものなので、「4C」の「C」のそれぞれは「4P」の「P」のそれぞれに対応させることができます。
Product(製品)→Customer Value(顧客価値)
「何を売るか」→「その商品やサービスによってお客様がどのように感じるか」
Price(価格)→Cost(経費)
「いくらで売るか」→「お客様にとっていくらが妥当か」
Promotion(プロモーション)→Communication(顧客とのコミュニケーション)
「どうやって売るか」→「お客様の声も聞く」
Place(流通)→Convenience(顧客利便性)
「どこで売るか」→「お客様はその商品を入手しやすいか」
顧客の求める価値に合致した入手容易性が求められる。以上のように、「4P」は売り手側の視点、「4C」は買い手側の視点であるので、両方の視点からマーケティングを考えていく必要があります。
4P・4C・4Aマーケティングミックス戦略~まとめ~
4P 売り手側の視点
4C 買い手側の視点
4A~手段から状態へ~
「4A」はコカコーラ社が社内でしようしていた「3A」から着想を得て考案されました。「4A」と「4P」の違いは、「4P」が企業から顧客に働きかけるための手段、つまりマーケティング上のすべての取り組みを顧客にどう働きかけるかということに着目するのに対して、「4A」は様々な手段で達成確保されるべき顧客の状態、つまり顧客が感じる価値がどれだけ達成されているかに着目します。
「4C」と「4A」では、ともにお客様の視点で考えているという点で共通していまが、「4A」には特徴的な考え方があります。「4A」では、顧客は商品やサービスを利用する一連のプロセスの中で、4つの役割を担っていると考えます。それは、「探索者(シーカー)」、「購買者(バイヤー)」、「支払者(ペイやー)」、「使用者(ユーザー)」です。これら4つの役割のそれぞれの段階において、顧客が必要とする情報は異なっているとして、段階ごとに必要な情報と施策を考えようとするのが「4A」です。
「4A」の「A」をそれぞれ見ていくと次のようになります。
Acceptability
・製品の特徴、性能、機能性
・ブランドイメージ、社会的価値
性能が前のバージョンと比べて高いことや、機能が競合他社の製品と比べて多いことは、それ自体ではあまり意味を持ちません。そういった性能や機能がお客様にとってどのような魅力として移るか考えることが重要です。
Affordability
・顧客の収入が製品の価格に見合っているか
・価格の妥当性、他商品との装置的な価格比較
価格も、前バージョン比や競合比だけ考えていればいいわけではありません。お客様がどのくらい払えるかや、どんな物に支出する傾向があるかはそれぞれ違います。価格がお客様にとってその商品の魅力に見合った値頃感があるか考えなければなりません。
Accessibility
・需要に対する供給量、関連サービス・付帯品も含めた店頭在庫
・製品を入手する際の簡便さ。時間、労力、距離、サイズなどが妥当
わざわざその商品をお客様が買う理由はなんなのか考えます。プロモーションの目的は、お客様がその商品を買うだけの理由を作り出すためにあります。
Awareness
・製品や製品カテゴリに対する顧客の興味や関与、知識量
・製品ブランドについての認知度
お客様はどこでどのようにしてその商品を手に取るのか、お客様の行動をイメージした「手に入れやすさ」を考えます。
「4A」の要素と、顧客の4つの役割は、以下のように対応させることができます。
探索者(シーカー)←Awareness
購買者(バイヤー)←Accessibility
支払者(ペイヤー)←Affordability
使用者(ユーザー)←Affordability
また、「4A」と「4P」は次のように対応させることができます。
Product→Affordability
企業の提供する製品がどのくらい顧客のニーズや期待と合致し、また、ニーズや期待を上回っているか
Price→Affordability
顧客がどのくらい製品の価格に対して支払うことができ、かつ支払う意思があるか
Promotion→Awareness
顧客が製品についてどのくらい知っていて、購入、利用をしようと思っているか。
Place→Accessibility
顧客が製品をどの栗容易に入手できるか。
~まとめ~
4P 企業から顧客に働きかけるための手段に着目
4A 様々な手段で達成確保されるべき顧客の状態に着目
4Aは顧客には4つの役割があると考える。
以上のことがわかっていれば、ビジネスでも経営学の授業でも迷うことはありません!最後までお読みいただきありがとうございました。
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