そもそもパーセプションとは!?
消費者の認識・知覚を分析したもの
このモデルを考案したのは、P&Gのマーケティングに長らく携わった後、資生堂でCMO(最高マーケティング責任者)も務めた音部大輔氏(Coup Marketing Company代表)。
「パーセプションフロー・モデル」は、消費者行動にともなう“認識・知覚の変化”を軸としたマーケティング・マネジメントの手法と定義されている。
行動に伴う認知・知覚「パーセプション」に注目するのが大きな特徴。
要するに環状曲線のような感じである。
パーセプションマーケティング
1つ目はマーケティングの可視化。マーケティングのプランニング、実行、効果測定までを一元管理できる。
マーケティングの設計図にあたる部分ができる。
2つ目はプロジェクトチームの意思疎通と連携。
たとえばマスマーケティングとデジタルマーケティングの領域では、用語や前提条件が異なり、コミュニケーションがスムーズにいかない場合がある。
これを緩和する効果が期待できるという
行動・態度
ほしい結果に対しての行動の変化
パーセプション「認知」
新たなコンテンツによる変化
基本的にパーセプションフローはこの5つから構成されている。
「行動・態度」「パーセプション 認知・知覚」「知覚刺激」「成果を示す指標」「メディア・媒体」
行動:認識の変化に伴う行動・態度変容
パーセプション:行動・態度を左右する情報の解釈
知覚刺激:新しい認識を与える外部からの情報
KPI:成果を示す指標
メディア・媒体:知覚刺激を効果的・効率的に届けるもの
縦軸も存在していて、顧客の状態を表す。
上から「現状」「認知」「興味」「購入」「使用」「満足」「再購入」「口コミ」の全8段階からなる。
1段目の「現状」の列を見ると、想定される客の「行動・態度」は、「競合を選び、使用している」とある。
このときの「パーセプション」は「競合に満足はしていないが、他の機会や解決すべき問題を認識していない」だと考えられる。
この状態の消費者に対し、どのような「知覚刺激」を与えれば、次の段階へ移行してもらえるだろうか?
ここがまさに具体的な打ち手・施策となってくる。
1段目の「現状」から2段目の「認知」の状態に移行してもらうために、必要な知覚刺激は「競合には提供・解決できない、より重大な機会や問題(の提起)」だ。
「知覚刺激」の中身が決まれば、どんな「KPI」が必要か、どんな「メディア・媒体」を使うかも自ずと浮かび上がってくるわけだ。
パーセプションマーケティング例えば食品添加物で考えてみましょう。
ある食品で「食品添加物、無添加 人工甘味料不使用」などアピールするが消費者がそれだけで購入するかはわからない。
なぜなら食品添加物、人工甘味料が人体にどう影響を及ぼすか知っている人は少ない。
なので「食品添加物 人工甘味料使ってないんだ?
、、、こっちの方が安いからこっちにしよう」となりがちだと思う。
そもそも食品添加物とは、人工甘味料とは という予備知識がないとその良し悪しがわからないために購買には至らない。
そこで外的刺激(メッセージ)を送ることによってそれまで“なんとなく”“仕方なく”買っていた製品への支出について考えるようになり、他の製品を購入する可能性が出てくると思う。
パーセプションマーケティング*POINT*
購買口実 社会便益
消費者の「行動・態度」及び「パーセプション」に応じてどのような「知覚刺激」を加えるかを考えていくことがパーセプションフロー(マーケティング)です。
その1つが購買口実です
顧客の状態が「興味」から「購入」へ移行してもらう、つまり何かの商品を実際に買ってもらうには、そもそも店頭に商品があるか、棚に並んだとき、パッケージが目立っているかなどが重要なのは言うまでもない。これに対し、「購買口実」とは」その商品を買ってもいい理由です。
わかりやすくいうと言い訳だと思います!
例えば、魚沼産コシヒカリはお米の高級ブランドとして広く認知されていますが、普段の食事にそうこだわるわけではない人にとっては、あきたこまちだろうとヒノヒカリだろうと、安い方を選ぶのが一般的です。
外食の際も、「あそこのごはんはコシヒカリだから」という理由で選ぶ人がどれだけいるでしょうか
つい「買うべき理由」ばかりを考えてしまいがちな作り手側は、この点を見落としがちです!
お米の例で言えば、高いお米はあえて1、2食分を小分けにして販売することで「たまに自炊するときくらいはいいお米を選ぶ」という言い訳を用意したりや、糖質制限を意識してごはんの量をはじめから少なくしている分高級米を使っている定食屋さんであれば、ご褒美や健康管理という「行動の言い訳」が成り立ちます。
パーセプションマーケティングということは!!!
直接的に物の良さを語るよりもその商品に触れてもらうための「言い訳」を用意する方が遠回りに見えて有効な策ではないかと思います。
最近のトレンドに則ってみたら
①健康によい
②仕事や学びにつながる
③プチ贅沢や自分へのご褒美
④時短・効率化
なのかなって思います!
4番に関してはかなりの確率でやってる方いると思います。
食事は毎日自炊した方が健康的だし経済的にも良いと誰しもが思っていることだと思いますが、実際は仕事終わりで自炊する時間ない、気力がない、などでコンビニやスーパーのお惣菜を利用すると思います。
これも時短・効率化の言い訳だと思います!
パーセプションマーケティング社会便益とは
同時に「便益」も非常に重要な要素だという。
「この商品を買えば、私はこうなれる、どういう気持ちになれる――それをどう“実感”させるか」が重要なのだ。
「この頭髪用のコンディショナーを使えば、手ぐしの通りが良くなって、自分がちょっとカワイくなった気分になれる」。
これはまさに社会便益だ。簡単にいうとメリットだと思う。
便益には種類があるが、最も意識すべきは「社会便益(ソーシャルベネフィット)」だ。
「いい人だと思われたい」「他人に喜んでもらいたい」という意識は、人間の行動を大きく左右する。
心理学でも有名ですが、人は一番幸せを感じる時は「社会貢献」「団体に所属していて自分の居場所がありその団体に貢献しているとき」だそうです。
「人は、自分のことなら多少は我慢するが、大切な人のためには行動する。自分のブランドが、消費者と別の消費者を結ぶのだと発想すべき」「今日はこれだけでも覚えて帰ってほしい」と猛アピールしていたのが「便益」。この商品サービスを買うと、どんな気持ちになるか? これを意識することが重要だという。
現代は「買う理由が少ない時代」だと私は思う。
情報と消費が飽和している時代には商品そのものの差別化が難しくなる。
良いXXの定義を変える、属性順位転換
ところで、私たちがあるカテゴリーに対して抱いている認識として、「良い商品」の定義がある。例えば、「良いクルマと言えば、エコカー」というのはその一例。
そして、この良い商品の定義は時代と共に移り変わる。自動車を例にとって見てみよう。
1980年代は「良いクルマ」といえば、トヨタ自動車のソアラや日産自動車のシルビアといったクーペが主流だった。
それが90年代に入ると、トヨタのクラウンや日産のシーマなど、ラグジュアリーで乗り心地の良い自動車が、良いクルマを代表し始める。
2000年代からは、ワンボックスカーが台頭。10年代に入ると、トヨタのプリウスや日産のリーフに代表されるエコカーが良いクルマの代表格だ。
明らかに、良いクルマに対する社会的合意は、10年周期ぐらいで移り変わっている。
これは言葉を変えれば、良い商品の再定義が繰り返されているということになる。
これが、いわゆる「属性の順位転換」と呼ばれるものだ。
「同じクルマであっても、良いクルマの定義が時代によって違う。
その定義こそが具体的な属性。ドライブに行きたいという大きな消費者ニーズは変えにくいが、この属性は変えることができる」と著書『マーケティングプロフェッショナルの視点』に記している。
つまり、あるパーセプションが生まれることによって、買う理由が変化する。
これが属性順位転換の正体だ。この属性順位転換が当てはまるマーケティングの成功事例は、世の中に少なくない。
例を出すとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の洗濯用洗剤のアリエールは、パーセプションチェンジを起こすことで、ブランド価値を維持している。
従来は「とにかく白く洗い上がる洗剤」を良い洗剤と定義していた。2000年代頃から「除菌ができるのが良い洗剤」という属性に転換させ、新たな市場を創出した。
なぜパーセプションが必要なのか
見え方や捉え方というものは、人によって異なり、また時代によって移り変わっていく。
トレンドの発生や移り変わり、そして衰退の裏には、常にパーセプションの変化が潜んでいるのだ。
だとするならば、パーセプションをコントロールすることで、トレンドを生み出すこともできるはず。
このパーセプションが、現代のマーケティングでは重要性が増している。
その背景には、消費者の変化がある。情報があふれ、いわゆる「ググる」ことをしない生活者が増えている。
「自分に関係ない情報」は、むしろ邪魔な存在として認識されかねない。
このような時代におけるマーケティングは、もはや「認知」を争う戦いではない。「認識」の戦いなのだ。
今の時代のニューヨークタイムズ1週間分の情報量は18世紀の人の一生分と言われるくらい情報に溢れているらしい。
人には1秒間に役200万ビットという量の情報が五感を通して伝わってきます。
しかしそのうちの134ビットの情報しか処理できないそうです。
これは人が生きていく上での本能らしく、この200万ビットの情報を全て処理すると人間は餓死してしまうらしいですね。
なので例えば100人中100人全員に認識してもらうのは無理だと思います。
ですけど100人中80人に認識してもらうことは可能なのでいかに多くの人に認識してもらうかがキーポイントですね!!
パーセプションフロー・モデルを設計する際には、徹底的に『消費者の立場・状況』を踏まえなければなりません
なぜなら、パーセプションフロー・モデルの主人公はあくまで消費者のこころや頭や行いだからです。
そして彼らは機械ではなく、生きた人間です。
だからパーセプションチェンジ(=認識変化)は“自然”におきます。(マーケッターの勝手な妄想によっては操れないわけです)
“自然”は例えば、
1メディア・社会などの外部からの刺激、あるいは自身の内部から湧き起こる刺激
2 1がきっかけとなり何かに気づく→これまでとは違うパーセプションが開く
3新しい価値観・主義主張が形成され、なんらかの現実行動が生まれる
というふうに、認識変化=気づきを軸とした“流れ”として捉えなければなりません。
もし人間の“気づき”がモデリングに含まなければ、消費者行動は、ぎこちのない空想物語で終わる可能性が大です。
上記のように、人間的な性質を把握し、一連の購買行動プロセスを“認識変化”のストーリーとして描くことで、ユーザー理解+消費者目線の適切なコミュニケーション計画が立てられます。
では人はどんな時に認識→行動するのでしょうか。
少し離れますが地震で例えてみましょう。
今この何十年の間に大地震が起こると言われていますよね。
がしかしちゃんと備えてる人は意外と少ないと思います。 それはなぜかと言うと リアリティ がないからですよね、ではどう言う人がちゃんと備える人かと言うと 過去に地震を経験している人だと思います。
「鮮明にイメージできるかできないか」がかなり差を生み出しますね。
ある研究で、この地域411人の参加者に、学校の一部が地震による崩壊リスクが高いことを伝えました。
そして、画像、または統計情報のどちらかを見てもらったそうです。
その後、学校の耐震工事の請願書に署名する機会を設けると、画像を見た人では77.3%が署名したのに対して、統計情報を見た人で署名したのは68%でした。
リアルな画像を見るほうが、よりイメージしやすく影響を受けやすいそうです。
また別の研究では、海岸に横たわったシリアの子供の画像が公開されたことで、難民支援の寄付が大幅に増加したことを見出しましたが、6週間以内にはもとのレベルに戻ってしまったといいます。
画像による動機づけは、影響範囲がごく直接的かつ持続性がないのかもしれません。
ウィンザー効果
行動心理学も紹介したいと思います。
「あの人がこう言っていたわよ」
「あの人、最近●●を使ってみて良かったって言ってたわよ」
というのが、このウィンザー効果だ。
その商品(その会社)と利害関係がないと思われそうな人が、その商品を評価していると聞かされると、不思議とその評価を信じてしまいたくなるものだ。噂話というのは不思議なもの。
口コミサイトへの書き込みが、実際使ったこともないその商品や店舗への評価にすり替わってしまうのだ。その口コミを見て「買ってみようか」「行ってみようか」という判断基準となってしまう。これはWebマーケティングでも応用が比較的容易だ。「お客様の声」として第三者的意見を掲載することで、それが可能となる。
「一億総評論家時代」とも言える今だからこそ、大手通販サイトでは必ず「お客様の声」「口コミ」を自由に書き込めるようにしてあるのだ。
と言う感じに人は動くときには確実に理由があるのでそれを可視化できるとマーケティング戦略はかなり進むのかなと思います。
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
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