2019年、日本の厚生労働省が「働き方改革」に本腰を入れ始めたことにより、日本の働き方に変化が必要だということが明確になりました。
しかし、この状況になる数年前には少数ながらも、すでに日本の従来の働き方には多方面で限界が来ている認識があったのです。
それゆえ、この日本の働き方の変化に目をつけていた企業は、いち早くその傾向を掴んだサービスの開発や新しいシステムの導入、または販売に取り組んでいました。
また、その企業は中小規模の会社が中心で、中には個人事業主でビジネスを始めていた事業者もありました。
組織の規模にかかわらず、このような新しいビジネスを始めやすくなった主な理由に、インターネットの普及があげられます。
会社や家庭もインターネットでつながることができ、新たなシステムの導入によって、いつでもどこでも報連相が可能になり、現在では在宅勤務も珍しい働き方ではなくなっています。
それに伴い、教育や医療などの様々な社会の現場でも、インターネットを利用した新しいシステムの導入の動きが強くなってきました。
ここまで社会の変化が見られると、取引先や顧客の認識への影響も例外ではないと考えられるため、マーケティング戦略への意識改革も余儀なくされています。
個人の顧客で考えた場合に、新しく導入するシステムで思い浮かぶのはSNSでしょう。
取引先の企業で新しいシステムを導入する場合は、業務の効率化による時間とコストの削減や、商品の開発や改善、取引先や顧客の新規開拓など、利益を上げることを前提としたものだと考えられます。
このような顧客や企業にアプローチしていこうと検討した際に、必要になってくることは、同じ視点でマーケティング戦略を考えることです。
しかし、それを理解していながらも、どのようにマーケティングを組み立てていけばよいのかわからないという人や同じSNSやシステムを利用したマーケティングを考えてみたが、上手くいかないという人もいるはず。
実は私も、そうでした。
自社の新しい商品やサービスの紹介をウェブマーケティングの手法を取り入れ、実施したものの、予想より反響が少なかったり、売り上げの結果も芳しくなかったり、、。
そこで、ここではこのような事態で参考にすべき、製薬企業に従事するMR(医薬情報担当者)から知っておくべき医薬品業界のマーケティングについて、ご紹介します。
MRによる医薬品業界のマーケティングを理解する。
まず、冒頭で出たように、マーケティング戦略について顧客へのアプローチする視点を考える必要があるということですが、これは単にマーケティングの手法のことを言っているのではありません。
インターネットの普及によって、個人でも簡単に多くの情報を得ることができるため、顧客へ情報を届ける手段に迷うこともありますが、重要なのは、どんな情報をマーケティングに組み込んで、顧客へ届けられているかということです。
言い換えると、顧客へアプローチする視点を考えるとは、顧客が必要とする情報をもって、マーケティングを実行できているかがおさえるべきポイントになります。
例えば、知り合ったばかりの相手と仲良くなろうと思ったら、連絡先の交換やSNSのアカウントを共有しますよね。
単なる連絡以外でコミュニケーションを取ろうとする場合は、相手と共有できる話や相手が知りたい情報などを話題にするでしょう。
これが相手に好意があれば、なおさら相手の興味を引くことであったり、相手のことを知ろうとする内容であったりと、相手が全く興味のない内容を話題にすることはしないでしょう。
つまり、コミュニケーションの枠となる連絡手段だけ共通のものにしても、中身となる話の内容が、お互いにとって的を得ていなければ、コミュニケーションが続かないことが想像できますね。
その逆も然りですが、時代の流れに注目するがあまり、手段だけに焦点を当ててしまいがちなこともあります。
すなわち、マーケティングにおいても、手段だけ現代的なものに置き換えたところで、戦略が有効であるとは限らないということを肝に銘しておかなければなりません。
顧客が必要とする情報や、興味のある話題をいかにマーケティングに取り入れているかで、利益や売り上げにも影響してくることを常に頭に入れておきましょう。
このように相手が必要とする情報を提供し、顧客に会社の商品やサービスに興味を持ってもらうことを主な仕事としているのが、MR(医薬情報担当者)です。
MRはMedical Representativesの略で、製薬企業の営業担当者の役割を担います。
主な役割は、医師など医療従事者へ自社の医薬品に関する情報を提供することや、医薬品の適正使用を促進するために、安全面での情報などを詳しく伝えることです。
しかしながら、MRが自社の医薬品を対象顧客となる医療機関や従事者らに購入してもらおうと考えると、伝えるべき必要な情報だけ伝えても、マーケティング効果が望めないことが想像できます。
そこで、必要になってくることが、顧客つまり医療従事者が知りたい情報や有益だと思う情報を提供することです。
これは、セールスマーケティングに通ずる要素ではありますが、医薬品業界に限らず、どの業界でも顧客との信頼関係の構築によって、マーケティングの効果が左右されることがあるため、マーケティング全体の基本として心得ておきましょう。
顧客や取引先との関係性が利益や売り上げに直結することもあることを念頭におき、顧客目線で必要な情報を提供するとともに、自社の商品やサービスも紹介することでより効果が得られます。
会社のマーケティングを見直す際に、これらのポイントが疎かになっていないかを確認し、MRにならうように、自社のマーケティング戦略を考える際は、顧客目線や顧客への情報提供の内容にも気を配り、構築していくようにしましょう。
MRから進化するマーケティング手法を学ぶ。
MRの役割から見るマーケティングのポイントは理解いただけたでしょうか。
冒頭でも出たように、時代の流れとともに、世の中の様々な場面でのツールに変化が起こっています。
その変化に影響されるように、MRの顧客となる医療機関や従事者との関わり方も変わってきました。
従来のMRは各医療機関を訪問し、医療従事者に直接会うことで新薬を含む医薬品の情報を提供していました。
主に、医薬品のカタログを配布したり、有益な情報の資料を直接渡していたのです。
しかし、医療現場でも時代の影響を受け、現在の医療従事者たちは製薬会社のウェブサイトを見ることで医薬品などの情報収集するようになっています。
これは、医療機関の規制強化やセキュリティーなどの理由で、MRが医療従事者へ接触することが難しくなったことにも関係していますが、主には他業界と同様に、効率化や利益に効果があると判断されたからだと考えられます。
医療の現場でも特に若い世代の医療従事者ほど、新しいシステムの導入に迅速に適応しており、全体的に医療従事者らは、MRと会う時間を削減し、いつでも好きなときに自ら情報収集を行うようになりました。
例えば、日本の恋愛や結婚事情にも以前とは異なるツールの変化が見られます。
昔は、写真一つで誰かが口頭で相手を紹介すると、直接会うお見合いへとつながり、そのまま結婚することもありました。
しかし、今は結婚相談所や出会い系のアプリに写真を掲載し、登録者のプロフィールからアピールまでを文字で確認することで、相手を知ることができるようになっています。
時代背景や個人の価値観の変化の影響もあるため、一概には言えない点もありますが、人を介す手間や時間のセッティングなどお見合い前の情報収集の過程での効率化を図り、間接的に情報を得ようとしてきたとも言えます。
そして、結婚相談所への申し込みやアプリへの登録だけで、自分の都合に合わせて、相手の情報を確認するようになりました。
このように、医療従事者の情報収集のツールにも変化が現れたことで、MRは顧客となる医療機関や従事者たちとの関わり方を変えざるを得なくなりました。
これまでは直接営業をかけることで、マーケティングを浸透させていましたが、新たなツールを利用し、間接的な関わりを活用することで、マーケティングの効率化と売り上げや利益をもたらすことが必須となったのです。
そこで、医薬品業界のマーケティングにもデジタル化の動きが見られるようになり、新しいシステムの導入にも目が向けられるようになりました。
医薬品会社のウェブサイトに、商品としての医薬品の効能や用途など基本情報を掲載するだけでなく、メルマガのようにMRから医療従事者にメールでコンテンツを送るアプローチなどインターネットを活用したマーケティング戦略への方向転換を進めたのです
現代のマーケティングや営業活動の一環として必要不可欠となっている会社のウェブサイトの運営では、会社や商品の基本情報を掲載し、医療従事者への利便性の向上を図り、必要なときに自由に会社のことや商品の情報を知ってもらうようにしています。
また、メールでのコンテンツの発信は、ウェブサイトと同様の目的もありますが、顧客である医療従事者との関係の構築にも効果が出るように考えられています。
中には、このコンテンツの作成の面でも、様々なアプローチを試している医薬品会社があり、図や絵を挿入することにこだわった資料や、あるいは文章で内容を細かく説明したコンテンツなど異なるタイプのコンテンツを医療従事者へ提供し、それぞれの反応や売り上げへの効果なども検証しながら、戦略を立てています。
自社でメールによるコンテンツの提供が難しい場合は、会社のブログやSNSアカウントへのコメントへ返信したり、コンテンツ以外にも会社側の反応を顧客に伝えることで、顧客との関係を構築するように考えてみましょう。
MRと医療従事者との関係性とは異なりますが、顧客とのつながりを強化する積み重ねは、新商品やキャンペーン開始などのときに、いち早く反応してくれるファンのような顧客を獲得できることにつながります。
そして、手段をインターネットの分野に変えたときに、どの方法が一番顧客からのアクセスを得られているのか、どういう商品や内容のアクセスが多いのかなどの反応や分析をマーケティング戦略の改善に活用していくのです。
顧客側の立場を考えて、ツールを変化させながらも、MRとしての役割を変えずに、継続して医療従事者が知りたい情報や彼らにとって有益な内容を提供していることからも、医薬品業界のマーケティングからは何を守り、何を変化させていけばいいのかを学ぶことができます。
そのうえ、マーケティング戦略の反省や見直しを繰り返し、コンテンツへの反応を観察しながら、医療従事者に自社の医薬品を購入してもらえる効果を生み出そうとしているため、改善方法についても参考になることがあるでしょう。
MRの動向に見るマーケティングの将来
さて、MRの役割からマーケティング戦略の考察までを通して、マーケティングの幹のようなものが感じられた人もいるのではないでしょうか。
MRの戦略は、セールスマーケティングのようで、単にそれだけではないこだわる必要がある視点や工夫が見られるマーケティングであると言えます。
マーケティングには様々な要素が掛け合わさっているため、優先事項によっては、MRの優先ポイントと異なる場合が出てくるでしょう。
しかし、土台の部分では共通する要素が含まれているため、自社のマーケティングで新たなツールを取り入れることを考えたり、顧客に自社の商品やサービスに興味をもってもらうきっかけを増やしたい場合に、参考にしてみましょう。
そして、医薬品業界におけるデジタル化はまだまだ進化を続けており、医薬品の情報の受信者も医療従事者ばかりではなくなってきています。
最近は、医療従事者を通じずに、一般の顧客がインターネットを通じて、病気や怪我をしたときに医薬品について知りたい情報を検索するようにもなり、医薬品業界の情報発信が持つ影響力も大きくなっています。
そのため、単なる情報発信でのマーケティングではなく、世の中に企業のイメージを浸透させることも目的としたマーケティング戦略を実行しています。
医薬品業界のマーケティング手法が最先端であるとは言いきれませんが、確実に進化を遂げており、MRが医療従事者に直接会う必要性がないことに関しては、デジタル化されたツールを積極的に取り入れようとしているのです。
従来のやり方よりも効率よく、顧客のニーズを把握し、自社の製品を広めようとマーケティング戦略に試行錯誤している現代において、医薬品業界のマーケティングからは、顧客の利益も考えた普遍的なポイントをおさえつつ、先を行くマーケティング手法の導入の重要性を学ぶことができると言えるでしょう。
まとめ
- MRによる医薬品業界のマーケティングを理解する。
- MRから進化するマーケティング手法を学ぶ。
- MRの動向からマーケティングの将来を考える。
以上、MRから知っておくべき医薬品業界のマーケティングについてご紹介しました。
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