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~顧客志向マーケティングとは~
高度経済成長期の日本をはじめとして、これまでは大量生産・大量消費が前提のもと、モノづくりが中心となる製品主導型のマーケティングが中心になっていました。
モノが行きわたらない時代、行きわたる過程の時代には企業が開発や製造のしやすさを優先し自社の商品サービスが他社より良いということを強調して顧客に売るマーケティングが主流でした。
いいモノをつくっていれば売れるという考え方から消費者・顧客のニーズよりも企業が主導となってモノづくりをして、不特定多数に対して宣伝・広告を行うマスマーケティングで製品を販売していました。
顧客志向マーケティングは企業視点・企業本位のマーケティングではなく、顧客のニーズやメリットを優先して考えるマーケティング手法のことです。
現代は顧客ニーズの多様化であり、「モノが売れない時代」と呼ばれています。企業主導で製品開発を行う従来のマーケティング手法、経営手法ではなく顧客視点に立ち、顧客のメリットを考えた製品開発やマーケティングになります。
~顧客志向マーケティングで重要なポイント~
顧客志向マーケティングでは、どのようにして顧客のニーズを見つけ出して分析し、理解するかが重要なポイントとなってきます。
通常のマーケティング戦略では、市場調査(マーケティングリサーチ)→市場細分化(セグメンテーション)→ターゲティング→ポジショニング→マーケティングミックス→実行→分析というステップになります。
この中で重要なのがセグメンテーションで、市場がどのようなグループに分けられるかを調査・分析し、さらにそのグループがどんなニーズを持っているのかを調査・分析して顧客ニーズを導き出していきます。
なので、顧客ニーズに答えるためには顧客分析がとても重要になってくるというわけです。
~顧客志向マーケティング~
何のために顧客分析を行うのか目的を明確にすることです。その目的にはどのようなものがあるのか見て行きましょう。
《現状把握》
顧客分析を行う目的として「現状把握」があります。
仕入れた商品の中にはすぐに売れてしまう商品もあれば、なかなか売れずに在庫を抱えてしまうこともあります。
仕入れの無駄を省き、商品の回転をよくするためにまず現状把握が必要です。
現状把握とはどの「商品が売れていて、どの商品が売れていないか」という単純な事ではなく、「なぜ売れていないのか、どうして売れないのか」を一歩踏み込んで現状把握することです。
顧客の購買行動を具体的な数値として確認することで、売れる理由と売れない理由について深堀りすることが出来ます。
顧客の購買傾向を数値化することが出来れば、効果的なマーケティング施策も可能になってきます。
売れない商品を大量に仕入れてしまうことが回避出来れば、売り上げを伸ばすこととコスト削減にもつながります。
《施策評価》
顧客分析は、マーケティング施策の評価も出来る重要なものです。
マーケティング施策の主な目的は既存顧客の囲い込みと新規顧客の獲得です。
顧客のニーズを探って満足のいく商品やサービスを提供することで、得た顧客を競合他社に取られないようにすることによって安定した売り上げ維持に繋がります。
しかし、同じ顧客をずっと抱え続けるというのは難しいことも多々あります。
例えば、年齢に応じた商品でなくなったり、となるとやはり新規顧客の獲得手段を考えて行く必要があります。
顧客分析をすることによって自社が実施しているマーケティング戦略がどれくらい効果があるのか、改善が必要なところはどこなのか、などのチェックが出来ます。
このチェックが出来れば、次の顧客獲得のための改善策やさらなる戦略が出来るようになります。
~顧客分析のポイント~
《ターゲティング》
自社が求める顧客はどのような層なのか、また自社を必要とするのはどのような層なのかという顧客像を明確にする必要があります。
ここで活用できるのが、顧客の属性や利用履歴などのデータになります。
具体的な例をあげると、顧客の年齢や性別、家族構成、既婚もしくは未婚といった属性の他、居住先や地域などになります。
さらに、顧客の持つ価値観や趣味、ライフスタイルから性格に至るまで定義づけ出来れば、しっかりとしたターゲティングのイメージが出来ます。
これらの基本情報からエモーショナルな部分まで顧客像を明確化しておけば、どのような顧客に向けた商品開発やサービスを企画していけばいいかということにも繋がります。
《市場規模の把握》
自社の顧客が属する市場規模の分析を行い、どれくらい先まで同じ状況が見込めるのか、またさらに成長が見込めるのかどうかを把握する必要があります。
自社が継続していく上で現状十分な規模をゆうしていることが重要です。
市場規模が小さく売り上げが上がらないようであれば、最初から事業を行う意味がありません。
この場合、将来的に大きな市場に成長するという自信がなければ、市場規模の調査段階で市場参入を断念する判断も必要です。
規模を把握するのは国勢調査などの政府の資料やリサーチ専門業者の報告書を利用すれば、簡単に市場規模の把握が出来ます。
《顧客のニーズ》
市場ではどのようなニーズがあるのかを分析します。
市場には様々なニーズがあるのですべてのニーズに着目するのではなく、顧客が特定の企業の商品やサービスを選ぶのには理由があります。
顧客がなぜ自社を知り、商品を購入し、利用するのかを掘り下げて行きます。
そうすることで顧客視点で考えることが出来、顧客に寄りそうことによって魅力的な商品やサービスの開発が可能になります。
顧客と直接対面する機会が多いなら直接聞くことが一番いいでしょう。
また訪問調査などもありますが、どの場合でも顧客の負担にならないことを考慮にいれ、自社に合った方法で顧客ニーズを掘り下げて行くことが大事になります。
《意思決定プロセスの把握》
最後に重要なポイントが顧客が購入するまでの意思決定プロセスです。
商品を購入する場合、似たような商品、サービスを複数の企業が出している事もあります。
数多い、企業の中から、なぜ顧客が自社商品、サービスを購入したのかを顧客分析によって把握出来れば、その内容を考慮した適切なマーケティングが実施できます。
購入までの決定には複数の意見が加わっていることも多く、他社との比較をし、決定するのが
一般的です。意思決定プロセスを把握することはマーケティングを行う上で重要となります。
~5つの顧客分析手法~
顧客分析には、主に5つの手法があります。
RMF分析、デシル分析、CTB分析、セグメンテーション分析、特定顧客の抽出です。
自社の顧客分析をする上でどの手法が適しているかを考え流ながら見てみてください。
《RMF分析》
RMF分析とは、顧客の購買行動を「最新購買日:Recency」「購買頻度:Frequency」「類型購買金額:Monetary」の3つの指標でランク分けして分析する手法です。
「最新購買日:Recency」では直近で購入した顧客が上位、「購買頻度:Frequency」では購入頻度が多い顧客上位、「累計購買金額:Monetary」では購入金額が高い人ほど高いランクとなります。
購入頻度が多く、購入金額も多かったものの、最近購入していない顧客や購入金額が多かったけど、その後一度も購入していないなど顧客の特性を見極め、分類していきます。
この結果を基に、顧客の状態に応じた施策を実施します。
《デシル分析》
デシル分析とは、顧客の購買金額が高い順に10等分にグループ化をして分析をします。
ラテン語で「10分の1」という意味を持つ「デシル」がこの名前の由来です。
購入金額ごとに顧客をグループ分けすることで、どのグループが売り上げにどれだけ貢献しているのかを可視化し、優良顧客を把握します。
また、それぞれのグループにどのようなアプローチをするべきかの課題も見えてきます。
《CTB分析》
CTB分析は「Category:分類」「Taste:テイスト」「Brand:ブランド」という3つの指標から顧客をグループ化して分析する手法です。
「Category:分類」はメンズやレディース、生活用品、キッチン用品といったカテゴリーのと。「Taste:テイスト」は色や模様、形、サイズのこと。
「Brand:ブランド」は展開するブランドやキャラクターなど含めてブランドと言います。
このようなデータを詳細に取得するシステムはあまり流通していないので、CTB分析をするためには独自システムを導入する必要があります。
しかし、これが分かれば顧客がどのような商品を購入するのか予測可能になります。
《セグメンテーション分析》
セグメンテーション分析とは顧客の属性や特徴に類似性をっ見つけ出し、分類して分析する手法です。
業界や企業の所在地、行動履歴、購入頻度など、さまざまな指標が考えられますが、どの指標を基にするかがカギとなります。
そのためにも、まずは顧客分析を通して何を知りたいのかを明確にするといいかもしれません。
どの指標を重視すべきか仮説を立て、顧客をセグメント化して分析を実施していくと効果がでます。
《特定顧客の抽出》
特定顧客の抽出とは、会員登録やメルマガ登録などを通して顧客情報を蓄積し、分析する手法です。
特定顧客のデータを把握することで、その顧客へ直接アプローチ出来るだけでなく、購入履歴などから今後の行動を予測することも可能になります。
~顧客志向マーケティングの注意点~
顧客志向マーケティングは顧客のメリットを中心に考え製品開発やマーケティングを行っていく手法ですが、あまり顧客側に寄りすぎてはいけないという注意点があります。
顧客の声、顧客のニーズにばかりを気にしすぎていると、自分たちが作りたい商品、使ってもらいたい商品が分からなくなっていきます。
顧客に耳を傾け、顧客のメリットを考えた商品を開発するのはもちろん大切ですが、商品開発に関するノウハウを持っているのは企業側です。
より良い商品開発を行い、イノベーションを起こしていくには専門知識・ノウハウを持っている企業が中心となって商品開発を行っていくことが必要な場合もあります。
顧客視点での商品開発と企業の意向のバランス、これらが保たれた状態で商品開発やマーケティングを行うことが顧客志向マーケティングの軸となります。
~顧客志向マーケティングの事例~
例:セブンゴールド
コンビニエンスストア大手のセブンイレブンでは通常よりも高い価格の食パン「セブンゴールド」を発売し、大ヒット商品となりました。
セブンゴールドはアンケート調査などの従来の手法ではなく、顧客自身も自分では気づいていないようなニーズを考え、開発された商品です。
顧客視点というのは必ずしも「顧客の意見」そのまま聞く事ではありません。
例えば、販売前に「コンビニで高級食パンを買いますか?」とアンケートを取ってもほとんどの人は「いいえ」と答えるはずです。
人々のイメージでコンビニは気軽に安くておいしいものが買えるイメージが付いているため、高級パンを買おうとは思いませんよね。
しかし、今高級食パンブームや自分ご褒美デザートなどが流行っている事もあり、専門店でわざわざ並ぶのはちょっと…という人でもコンビニで少し高くてもおいしいものが買えるとなればついつい買っちゃいますよね。
~恋愛に例えると~
好きな人がいたとして、その人がどんな人なのか知ろうとすることはもちろん大切です。
ですが、本人に「タイプってどんな人?」と聞いて「優しくて、スラっとしたモデル体型の人が好き」と言っていたとします。
ですが、実際いままで付き合ってきた人はスラっとしたモデル体型の人ばかりではないかもしれません。
今後付き合う相手はもしかしたぽちゃっとしたかわいい人かもしれません。
相手の言っていることを鵜呑みにするのではなく、相手が本当に求めているものを探りながら、自分の良さを伝えて行くことが顧客志向マーケティングと似ているかもしれませんね。
~まとめ~
・顧客志向マーケティングとは
企業視点・企業本位のマーケティングではなく、顧客のニーズやメリットを優先して考えるマーケティング手法のこと。
・顧客志向マーケティングで重要なポイント
どのようにして顧客のニーズを見つけ出して分析し、理解するかです。
・顧客分析の目的
何のために顧客分析を行うのか明確にすること。
現状把握、施策評価をしっかりすること。
・顧客分析のポイント
ターゲティング、市場規模の把握、顧客のニーズ、意思決定プロセスの把握の分析をしておくこと。
・5つの顧客分析手法
RMF分析、デシル分析、CTB分析、セグメンテーション分析、特定顧客の抽出があります。
・顧客志向マーケティングの注意点
顧客の声に耳を傾け過ぎず、顧客視点での商品開発と企業の意向バランスが保たれた状態で商品開発やマーケティングを行うこと。
顧客志向マーケティングは顧客視点で考えるのはもちろんですが、そればかりではなく顕在化していないニーズも読み取り、自分たちの製品とマッチさせるのが大切ですね。
わかりやすく言いますと
マーケット市場の強者からの影響を受けない強さを伝授致します。
強いて言えばあらゆるマーケットの承認欲求からの解放を
バトラックスマーケティング戦略として伝授します。
本来の目的や強みを構築する
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
伝授する内容は
戦略的バトラックスマーケティングの基礎
相対的なマーケティング技術の取得
誤視認性のマーケット理論
神秘性マーケティング
独自路線のマーケティングルール
バトラックスマーケティングの戦略方法
バトラックスマーケティングが成立する条件
を伝授していきます。
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