汗と涙と躍動する筋肉、感動を与えるスポーツ選手だからこその「アスリートマーケティング」の魅力
自分でスポーツをする事は苦手でも、スポーツ観戦は好きという人は多いのではないでしょうか。
普段は見る機会がなくても、オリンピックがあればやっぱり気になって見てしまう、とか、ルールも分からなくても世間が賑やかになって来たから見てみたらハマってしまった、とか共感してくれる人も多いのではないでしょうか。
私はサッカーが苦手でした。
何となく軽いイメージがあって、スポ根世代の私には受け付けない部分が多くありました。
もちろんそれは食わず嫌い(見ず嫌い)なところもありました。
そんな私が、1993年のFIFAワールドカップのアジア予選だったと思いますが、その時、後に通称「ドーハの悲劇」と呼ばれる試合をたまたまテレビで見ていました。
なぜ見ていたのかは忘れました。
何となくついていたテレビがそのままのチャンネルで試合が始まっただけなのかもしれません。
いつも見ていた番組があると思ったら試合で振り替えになっていたのかもしれません。
ただ何となく見るともなく見ていました。
ルールもちゃんと知らなくて、最初はボーッと眺めていただけでしたが、徐々にボールを目で追うようになって、後半が始まるころには前のめりで見ていました。
結果はみなさんご存知の通りで、大変悔しいものでしたが、その後数ヶ月はサッカー選手に注目していました。
誰が誰だかさえも知らなかったけど、主要選手の名前は覚えていたし、試合以外のテレビの活躍も注目していました。
その頃は今のようなSNSなんてなかったけど、もしも今だったら…
きっといいマーケティング戦略となっていたのではないかと思います。
このようなマーケティングが今脚光を浴びている「アスリートマーケティング」というのです。
スポーツが好きな人なら必ずハマってしまうマーケティングではないでしょうか。
もちろん、スポーツがそこまで好きではない、という人でも興味を持ってもらえるマーケティング戦略だと思います。
分かっているようで分かっていない「アスリートマーケティング」とは。
「アスリートマーケティング」というくらいだから、アスリートが絡んで行うマーケティングなのだろうと想像できますね。
だけど、スポーツをする事が主体のアスリートがマーケティング活動を行うとはいったいどういうことでしょう。
アスリート自身が市場調査をしたり、宣伝活動をしたりといったそういうことではないと思いますが、ハッキリした定義は分からないです。
「アスリートマーケティング」とは
では、文章で説明すると「アスリートマーケティング」とはどういうことでしょうか。
今まで、アスリートを活用したマーケティング活動というと、有名アスリート選手と企業が契約をしてテレビCMやイベント出演するといった広告活動が主流でした。
アスリートが競技で結果を残したその実績であるとか、スポーツ界でのアスリートのポジション、そのアスリートのキャラクター(冷静な人、熱い人)とか、アスリートとしての自己管理の良さなどを企業が注目し、企業の商品やサービス、CSR活動などといった企業全体のPRに、アスリートを起用しようとキャスティング契約します。
このキャスティング契約でアスリートには、新たなファンの開拓や今までの知らなかった人にも知ってもらえるといった認知度の向上やイメージアップというメリットがありました。
企業はマーケティング活動に対して一般顧客の興味をもってもらい、企業ブランドのイメージ向上
しました。
その結果、企業、アスリート共に価値を高めることができました。
最近の「アスリートマーケティング」は、アスリート自身が主体的に情報発信を行った結果想像以上の拡散力があり、世間のムーブメントを作り出すことに繋がったりしています。
アスリート自身のマーケティング活動は大きな話題となり、そのプロモーション活動はさらに大きな波及効果を生むのです。
スポーツクラブ自体や、それを支えるスタッフ、スポンサーにも期待をし応援もしてもらえますが、主役はやはりアスリート本人です。
これは音楽業界や他の業界でも同じような構造が見えるかもしれませんが、最もファンや一般顧客の期待や応援を集めるのはアスリートなのです。
ここでいう期待や応援とは、ファンや一般顧客に共感を得るということで、共感は大きなパワーや価値を生み出すことになります。
ファンなら注目するアスリートのInstagramなどのSNSをフォローしているでしょう。
自分の応援しているアスリートの発信する情報に対して「いいね」を押します。
この時の「いいね」は共感であり、共感は情報、サービス、商品を手に入れる換金可能な「いいね」となりうるのです。
共感はお金にも変えられますが、人を動かす事もできるのです。
SNSをフル活用。アスリートが行う「アスリートマーケティング」
ここで、アスリートがSNSを利用してムーブメントを起こした例を紹介します。
Jリーグの北海道コンサドーレ札幌のエース選手のあるTwitterでの呼び掛けの話です。
北海道コンサドーレ札幌は2017年に5年ぶりにJ1に復帰して最終4位でACL(Asia Champions League)を逃しました。
このACLをかけたJリーグ最終節の12月1日前にTwitterで呼び掛けを行ったそうです。
「行くぞACL」のフレーズを期間を決めてアカウント名にしたり、ハッシュタグをつけてツイートすることを呼びかけました。
呼びかけたのが11月24日、試合は12月1日でした。
結果として数字で見ると、参加アカウント数が1562人。
総いいね数が30080件。
参加フォロワー合計延4760633人でした。
1週間だけの企画で、これだけの人がこのツイートに反応をしているのです。
凄いことですよね。
これだけの数のTwitter関係だけでなく、スポーツニュースに取り上げられたりして、世間への認知度は格段に上がったと思います。
この例は商品ではなく、応援をしてもらう(試合に興味をもってもらう)ツイートですが、商品であったりイベントであったり、利益を生む事にも繋がります。
これだけの人を動かすマーケティング活動となると、ものすごい利益が見込めるのではないでしょうか。
Twitterだけでなく、今スポーツ業界で注目されているのがInstagramです。
Instagramはスポーツ関連アカウントをフォローしている利用者は全世界で4億以上です。
スポーツが好きな利用者1人あたり8人のアスリートを、平均3カ国のアカウントフォローしていることになります。
Instagramでは「インスタ映え」という言葉がありますが、「アスリートマーケティング」でも「インスタ映え」を意識した活動をするとフォロワーに注目される事も多くなるのだと思います。
Instagramを活用しているアスリートは、偶然フォロワーが伸びたのではなくて、フォロワーが伸びることを意識してファンの期待値を設定していくやり方をしています。
Twitterが主に文字で「つぶやき」をして発信するのに対して、Instagramは写真や動画をアップしてアスリート自身の日常なども見ることができます。
ファンやフォロワーはよりアスリートが身近に感じることが出来ます。
アスリートはそういうファン心理も考えて意図的にフォロワーやファンのニーズに応えてさらにフォロワーを増やすこともできます。
写真や動画を見て、真似したくなる競技スタイルであったり、私服、私生活の行動であったりがファンには嬉しい情報であるのです。
変化しているスポーツ業界。「アスリートマーケティング」のこれまでとこれから。
先程も触れましたが、これまでの「アスリートマーケティング」は、まず先頭にいるのがアスリートで、次にスポーツクラブ(所属チーム)、市場(ファン)という図式が成り立っていました。
言わば、アスリートは広告塔として扱われていたマーケティング活動です。
今の「アスリートマーケティング」は、先頭にスポーツクラブ(所属チーム)があり、次にアスリートで、次が市場(ファン)という図式で、スポーツクラブはアスリートのバックアップをする立ち位置となっています。
今までとの違いは、アスリートとスポーツクラブが入れ替わっているという点です。
アスリートの生の声を届けるために、SNSは重要になっています。
以前は、今ほどSNSが主流でなく、広告活動の主体はマスメディアでした。
そのため、スポーツクラブがアスリートと企業との間に入って広告活動を行っていました。
そのアスリートの競技とは関係ない商品やサービスのキャラクターになっていることもあったと思います。
その選手が元気で明るいイメージがあれば、カレーライスのCMでバクバク食べるという映像もあったりと、競技とは関係ない広告活動がほとんどでした。
それが今は、SNSという一瞬にして世界中に発信できるシステムがあります。
アスリート自身が自分の思うことを伝えることができるのです。
例えば、スポーツ界の中でも陸上競技では、アスリートの履いているシューズに注目が集まります。
マラソンで記録を出した選手と同じシューズを購入したいというファンや、同じようにマラソンをしている一般顧客がシューズを検索します。
これだけでも充分なマーケティング効果があります。
そのアスリートが注目を集めると、アスリートの競技と関係の無い商品でもファンや一般顧客の購買行動に繋がります。
人気アスリートのシーズンオフの私服に注目が集まる事もあるでしょうし、合宿先で訪れた飲食店での商品をSNSにアップすればそのお店にファンが訪れるようになるかもしれません。
アスリートが与えられた仕事として宣伝活動していた時代から、アスリート自身がSNSやメディアを通じて宣伝活動を行える時代になって来たのです。
今の「アスリートマーケティング」のポイントは、発信源がスポーツクラブでなくアスリート本人であるということ。
スポーツクラブはアスリートのバックアップを行うということ。
広告宣伝費が無料、0円であるということです。
広告宣伝費がかからないというのは、企業にとっては願ってもない
マーケティング戦略です。
スポーツクラブ発だった「アスリートマーケティング」からアスリート発の「アスリートマーケティング」となり、これから先はどんな「アスリートマーケティング」となっていくのでしょうか。
世界で最大のスポーツ祭典、オリンピックでも「アスリートマーケティング」は求められる
4年に1度のスポーツの祭典といえばオリンピックです。
スポーツをあまり見ない人でも、オリンピックはついつい見てしまうという人も増えるのではないでしょうか。
競技の中継だけでなく、スポーツニュースはもちろん、一般のニュースやワイドショーでも取り上げられます。
先程お話しました陸上のシューズも興味を持たれる商品ですが、マラソン選手の試合中に身につけているサングラスもあります。
チタンネックレスもファンには興味をもつグッズでしょう。
同じ競技をしている人なら、体操競技を見て、メダリストと同じメーカーのプロテクターが欲しくなるかもしれません。
水泳選手なら、同じブランドの水着を選ぶかもしれません。
もちろん、同じメーカーの物を使ったからと言って、同じようなパフォーマンスができる訳では無いのは分かっています。
分かっていても同じものを持ちたい心理は、感動を与えてくれた選手へのリスペクトであり、気持ちの高ぶりの落ち着く先が、アスリートと同じものを持ちたいという購買行動なのです。
これはコアなファン心理ですが、なんの競技というのはなくとも、スポーツをしている姿に気持ちが打たれて購買行動に繋がることもあると思います。
SNSで発信して意図的にフォロワーへ訴える「アスリートマーケティング」も拡散力は凄まじいものがありますが、4年に1度という特別感のあるオリンピックは、絶好の「アスリートマーケティング」チャンスなのではないでしょうか。
4年前は「インスタ映え」という言葉はありませんでした。
「アスリートマーケティング」もここまでの伸びはなかったでしょう。
4年前とは変化している「アスリートマーケティング」は、今年のオリンピックではマーケティング効果を生むのでしょうか。
そして4年後にはどんな「アスリートマーケティング」になっているのでしょうか。
変化の度にアスリートが身近に感じられる「アスリートマーケティング」の今後をもっともっと楽しみになりました。
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
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