ブランディングとマーケティングの境界線…
経済系の言葉ってちょっととっつきにくいと思いませんか?
ブランディング、マーケティング…聞いたことある気もするけど、ちゃんと考えたことはないよっていう人は多いかと思います。
特に、マーケティングって、よく聞くけど、説明をしてって言われたらうまく言葉にして説明が出来ないという人もいるのではないでしょうか。
実際私もそうでした。経済学って、難しそうな話なんだろうなって何も知らずに嫌煙していました…。
しかし、社会人になって、会社勤めになると、経済とは切っても切れない関係になっちゃうのです。
嫌になっちゃいますね。そうなると嫌でもマーケティングはついてまわるでしょう。
そして、ブランディングに関しても、自社を守るためにもブランディングをしようとする企業は多いものです。
しかし、そのマーケティングとブランディングは何が違うのかまで、明確に説明できる人はどのくらいいるのか…私は意外と少ないのではないかと思っています。
そこで、経済学に関して無頓着だった人でもわかるよう、「マーケティング」と「ブランディング」について僭越ながらご説明させて頂きます!!
たとえ話には、恋愛話を入れていきます。
実は、マーケティングって、恋愛の考え方と似ているところが多いんですよ。
マーケティングとは
まずは、マーケティングの説明からします。
マーケティングって、簡単にいうと、「自分のところの商品やサービスの魅力をお客様に伝えること」です。
これだけです。
意外と簡単に説明できちゃうのです(笑)
商品やサービスって、勝手に売れることはないですよね。
必ずその商品の存在を世にアピールする必要があります。
例えば、好きな女の子がいるとして、その子に自分のことを好きになってもらうには、自分の存在を知ってもらう必要がありますよね。
となると、男の子は「自分にはこんないいところがあるんだよ」と、どうにかして女の子にアピールします。これがマーケティングです。
自分を売り込んでいるんです。
自分の魅力をアピールすることで、相手に興味を持ってもらい、自分を好きになってもらう、この行程がまさにマーケティングの流れと一緒なのです。
男の子を企業、女の子をお客様とすると、「男の子(企業)が女の子(お客様)に自分(の商品)をアピールして良さを知ってもらい、それに興味をもった女の子(お客様)は、男の子(企業の商品)を好きになる、そして告白(購入)する」という流れです。
一途な恋です。
こういう感じで、イメージしていくとちょっとわかりやすくなりましたかね。
そもそもマーケティングとは「マーケット(市場)」という名刺を動名詞にしたものになるので、「市場→市場を作る」という意味に変化します。
…英語の授業になってしまいましたが、つまりは、市場を開拓し、市場を作るという意味があり、商品やサービス、もしくは企業などの魅力を多くのお客様にお届けするのがマーケティングです。
ブランディングとは
ブランディングとは、企業におけるマーケティング戦略の一つです。つまり、商品を売るための戦略の一つなので、マーケティングとブランディングはイコールにはならないのです。
ここ混同する人もいるので、後で詳しく後述します。
ブランディングは、「ブランド」という名刺の動名詞バージョンです。
「マーケティング」と同じ考え方です。
「ブランド」は、みなさん一度は必ず聞いたことがある単語だと思います。
「ブランド」とは他社と自社のサービスや商品を識別させるものという意味があります。
簡単にいうと、ブランドと聞いて思い浮かぶのはグッチやルイヴィトンなどの高級ブランドとか、いまではスタバも一つのブランドですよね。
つまり、これらのものって、他のメーカーなどとはちょっと別物っていう感じがしませんか。
その他大勢の商品とは別に、ちゃんと確立されている立場にあります。
これが「ブランド」です。
そして「ブランディング」とは、このように他の商品などと差別化をして、企業が商品・サービスを作り出す際に、ブランド要素による価値やイメージを、お客様の中で蓄積されていく行動のことを指すのです。
ローマは一日にして成らずということわざがありますが、ブランディングも短期決戦ではありません。
例えば、先ほど例に挙げたグッチやルイヴィトンなどは、企業が「高級」とうたっているわけではありません。
というより、これらの広告ってあんまり見たことないです。
それでも私たちは、このお店たちが高級ブランドであることを知っています。
それはなぜなら、「商品が高級そう、いいやつっぽい」とか、実際にお値段を見たり、他の人から聞いたりしていることで「高級ブランド」というイメージが自分の中でどんどん蓄積されていったからです。
つまり、ブランディングは、お客様なしでは成立することが出来ないということも言えるのです。
先ほどのマーケティングでは、男の子は好きな女の子に自分からアピールしまくっていましたが、ブランディングでは、女の子のほうから「この男の子っていい人なんだって」と、男の子がアピールをしなくてもわかってもらえるようにしています。
どうして「いい人なんだ」ってわかるかというと、それまでにその女の子に植え付けられている「いい男の子」のイメージが、その男の子と一致しているからです。
…正直めちゃくちゃ楽ですね。
自分でアピールしなくても好印象持ってもらえるなんて嬉しいことです。
これがブランディングです。
ブランディングとマーケティングのちがい
ここまでそれぞれの概念について説明してきましたが、なんとなくイメージできましたか。
大まかな枠組みは、マーケティングです。マーケティングは「自分の製品が欲しいと思ってもらえるように販売方法を工夫して購入してもらう」ための工程を指す中で、ブランディングは、他との差別化に重点を置き、お客様に「うちの商品はここが他と違うぞ」とお客様にはこう思ってもらいたいというイメージを蓄積させることで企業価値を確立することを指しているのです。
「商品を売りたい」という目的は一緒ですが、意味合いが違ってきます。
ここも恋愛話で例えてみますが、マーケティングは、自分から自分の良さを好きな女の子に伝える努力をしている男の子で、ブランディングは、相手に「自分はこう思ってもらいたいんだ」というイメージを持ってもらうようにする努力をすることを言います。
少女漫画でもありますよね。ヒロインを好きな男の子って、大体一人は「俺はお前が好きだ!」と熱く語れる努力型の熱い男の子で、もう一人はヒロイン憧れのエリート型のクールな感じの男の子。
私の中では、努力型の子がマーケティング、エリート型男の子がブランディングだと思っています。
どちらも「女の子と両想いになりたい(=売れたい)」という気持ちは一緒ですが、タイプが違うため、アピールの仕方(=売り方・戦略)ももちろん異なってくるのです。
ブランディングのメリット
さて、ここまでブランディングとマーケティングについて書いてきましたが、そもそもなんでわざわざブランディングをする企業があるのか…それにはもちろん理由があります。
まずブランディングによって消費者がメリットを受けることがあります。それは、買い物がしやすくなるということです。
世の中にはたくさんの商品やサービス・企業があります。
その中から私たちは日々取捨選択をして生きています。
でも選ぶのって難しいですよね。いっぱいありすぎて何を選べばいいのか分からなくなることもあります。
そんな時、自分の好きなブランドがあれば、迷うことも減ります。
「私は、服は基本的にユニクロが好き」という人は、服を買いに行くとき、数多くあるおしゃれなアパレルショップよりも、まずユクロに行くでしょう。
「カップ麺は日清のシーフードヌードル」って決めている人は、真っ先にそれを買うでしょう。このように、自分の中で好きなブランドが決まっていれば、何かを買う時、食べるとき、飲むとき等、どんな時でもそのブランドが優先されます。
ギャル系の女のことが好きな男の子は、真面目そうな子は眼中にないだろうし、逆に真面目でおとなしそうな女のことが好きな場合は、ギャル系のキャピキャピ女子は苦手でしょう。
そういうことなんです。
消費者のメリットはこれだけではありません。
もう一つは、「期待外れ」ということが減るということです。
もう私たちの中では、「ニトリは本当にCM通り、お値段以上のものばかりだから、安心して買える」というように、すでに経験やイメージによって蓄積された企業に対しての信頼や情報があります。
そのおかげで、その情報や信頼から購入するものに関しては、ほとんど失敗しません。
「買ってすぐに壊れた」ということや、「ここのお店の人は感じ悪かったし、全然良くなかった」という風に思うリスクが減ります。
恋愛でもそうです。
よくわからないような人と付き合うのにはリスクがありますよね。
きちんと知り合ってお互いのことを知ってから付き合ったほうが、「こんな子じゃなかったのに」とがっかりするリスクを極力避けることが出来ます。
付き合う前からずっと猫をかぶっていたら、いつ本性が出るかわかりませんがね…(笑)
消費者が商品やサービスを購入する際、以下の6つのリスクがあると言われています。
①機能的リスク(購入者が期待した機能を果たさないリスク)
②身体的リスク(使用者や周囲の人々の健康や身体に危害を加えるリスク)
③金銭的リスク(買った商品と金額が見合っていないリスク)
④社会的リスク(社会的な迷惑をもたらすリスク)
⑤心理的リスク(使用者の精神・心理に悪影響を及ぼすリスク)
⑥時間的リスク(購入した商品を選んで失敗した時、他の商品を探すという時間と費用がかかるリスク)
言われてみると、確かによく知らないお店で買い物をするとき、こういうことって不安になるなって思いませんでしたか。
私は特に⑥時間的リスクがいつも心配になります。
ここのお店なら大丈夫という確証がない、つまりブランドではない場合、こういったリスクを考えて納得したうえで購入しなければなりません。
そうじゃないと、無意味なクレームをすることになっちゃいますから。
クレームって、するほうもされるほうも、一番無駄な時間と精神的体力を使います…。
つまりブランディングは、企業にとって自社のブランドを確立しているため、理不尽なクレームを減らすことにもなるのです。
「自分の商品はこういうモノだから」ときちんと確立しているし、そのイメージがお客様にも伝わっているため、「こんなはずじゃなかった」と思われることを最小限に抑えることで、売り上げを伸ばすことが出来るのです。
そして企業のメリットはまだまだありますよ。
ブランディングによって、他の会社とは違うぞって言うことを知ってもらって好きになってもらえれば、その会社はお客様から選ばれやすくなります。そこがそもそもの狙いです。
選んでもらわないことには購入してくれないですからね。
そして、買ってもらったうえで好きになってもらえれば、リピーターを増やしていくことが出来ます。
リピーターって企業が欲しいお客様ですよ。広告をしなくても、その企業自体を好きになってくれて信頼してもらえれば、どんどん買ってくれます。
こうして顧客満足度を上げると、その輪は、口コミなどでもどんどん広がり、また新規のお客様をゲットすることが出来るのです。
恋愛でも似ていますね。
モテる人って、ずっと彼女いませんか。
別れても次の日には新しい彼女、そしてまたすぐ分かれても、もう次の彼女がまたいる…もしくは浮気していたり…。
それはもう、そのモテる男の子は一種の「ブランド」になっているんです。
多くの女性が好きな理想の男の子なんでしょう。
「イケメン・高収入・高身長・めちゃくちゃ優しい」というのが理想だと思いますが、これらすべてを兼ね備えているブランド(=男の子)って、そりゃ女は群がります。
最近は肉食女子も多いですからね。
ブランドになっちゃえば、自分が何かをしなくても、女の子のほうから寄ってきます。
だからみんなブランディングに躍起になるのです。
結論として、ブランディングとマーケテイングの違いは、自分からアピールをしまくるのか、それとも、差別化をすることで、自分という存在のイメージを確立していくのかが大きな違いなのです。
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