バズマーケティングとは
ある日突然「美容」「食べ物」「TV番組」など特定の話題を大勢が話し始めることがあります。
TwitterなどのSNSを使っている方なら誰しも目にしたことがある「バズる」という現象です。
バズるとは英語のBuzzから来ている動詞でこれには「ざわめき」「言伝」という意味があります。
このバズ現象を意図的にマーケティング戦略に使用することでブランドの知名度を高め、売り上げを伸ばすにはどうすればいいでしょうか。
バズマーケティングは、消費者の家族や友人との会話やソーシャルメディアプラットフォームでの大規模なディスカッションなど、特定のキャンペーンや製品の口コミの可能性を最大限に高めることに焦点を当てたバイラル(口コミ)マーケティング手法です。
流行語とは特定の時期や条件で一時的に大勢に浸透している単語またはフレーズです。
流行となる条件は多々あるものの、ただ一つ「刺激や興奮を生み出す事実」という点だけは共通しています。
したがってバズマーケティングとは、人々がブランド、サービス、または製品についてコメントする動機付けを作成する戦略のことを言います。
バズマーケティングの主な目標は、消費者が企業や製品に注意を向け、ターゲットとなる大勢の人々とのつながりを確立するために、市場で話題を呼び起こすことです。
バイラルマーケティングがコメントを共有したいという衝動を制御できないようにするコンテンツを作成することを目的にしているのに対して、バイラルマーケティングは、ブランドまたは製品に関するコメントを生成し、人々に目的物またはキャンペーン自体について話す理由を与えることを目的としています。
バズマーケティングの焦点
バズマーケティングは、2つの特定のタイプの消費者を引き付けることに焦点を当てています。
1つは「先駆者」パイオニアまたは草分けともいわれる人物。もう1つは流行に敏感で様々な情報収集を行う「オピニオンリーダー」。
これらの2つのグループは、市場に投入された新しい製品を試したがります。
したがって、企業が新しい話題を作成し、これら2つのグループの注目を集めると、彼らはブランドまたは発売された製品の最初の顧客になる可能性があります。
ブランドがこれら2グループの顧客を満足させることができれば、成功に向かって登り始めることが可能と言えます。
彼らのような消費者はすでに何千、何万人というフォロワーを持っています。
彼らがブランドについてブログやSNSを用いて他の人と話し始め、次にそれを見た人は話題の製品について自分たちのフォロワーらと話していくことが連鎖的に起こるため、ビジネスの範囲を広げてくれます。
バズマーケティングのメリット
低投資
コンテンツを作成するための初期投資は多少必要ですが、他のマーケティング方法と比べて圧倒的に低コストです。
人々の話題となればコメントは自然に成長します。
人々は企業や製品について無料で話し、広めてくれます。そして話している人々は、いずれ顧客となる可能性が大いにあり、膨大な見込み客を生み出すことができます。
信頼性
消費者は消費者の話を信じています。
企業が発信した内容は「良いこと」しか伝えないけれど、いち消費者が体験したことは嘘偽りのない情報だと信じているので、一消費者が「良い」というならそれはきっと価値のある物だと何の保証もなく信用します。
元は企業の用意した情報であったとしても、コメントそのものは製品やサービスの顧客であるユーザーとユーザーによって提供されるため、彼らの声は大勢の興味をそそり、信用できる情報であると思われやすくなります。
さらにパイオニアやオピニオンリーダーは常に最新の情報に耳を傾け、新製品をテストし、情報を公開してくれることをフォロワー達は知っているので、話の出どころとして最初から信用があるのはとても重要です。
情報拡散力
バズマーケティングは雪崩のように機能します。
最初のグループが製品またはキャンペーンについて話します。
それを見た人々はコンテンツを自分の友人と共有します。
友人は今、話題の情報についていち早く拡散することで自らも話題の一部になれることを望み情報を次々と転送します。
これにより、情報は勝手に広がり、すぐに多くの人々がこのテーマに精通するようになります。
インターネットのない時代、サーカスは朝のストリートパレードを行って夜の公演で何が見れるのか、どのようなことが行われるのかを市民に少しだけ見せることで、人々の興味を引き、パレードを見た人から口伝えで面白さを共有させ、夜の公演を成功させていました。
ポスターを張るより人から人へ伝わる情報がいかに効果的かよくわかります。
バズマーケティングの戦略
バズスイッチを使用する
バズスイッチは、何かに注意を向けさせるトリガーのようなもので、人々の好奇心をそそり、それを見ないで先に進むことができないと感じさせるトピックのことです。
バズスイッチには6つの種類があります。
1、 タブー
2、 珍しい
3、 驚き
4、 理不尽さ
5、 ユーモア
6、 秘密
見て欲しい媒体にこれらを含めることで聴衆の注意を引くチャンスが生まれます。
これらのスイッチは聴衆の興味をそそり、思わず続きを見たくなる、クリックしてみたくなるという欲求を起こさせるものですが、それだけにその後に続く物に失望した場合「興味を持ってみたけど面白くなかった」となってしまい拡散にはつながりません。
ペプシコーラが行ったペプシチャレンジは良い例です。
それまで『当社比』や『一般的な商品と比べて』という形で「今までの製品よりいいものですよ」という広告は数ありましたが、ペプシチャレンジは明らかに他社の製品とわかるように「他社と比較して自社の方が優れています」という広告を打ちました。
初めて見た人々は「なんて無謀なことを!」と驚きながらも「やるじゃないか!」「面白い!」と話題にしました。
ミステリーやサスペンスを感じさせる
消費者とのコミュニケーションは、常に好奇心を煽ることを目的としていますので、一度に全部見せない、無料で配布しないことなどが必要です。
ひとつを見た視聴者が思わず次のアクションを起こしたくなるきっかけを用意しなければなりません。
映画では作品公開前にティーザームービーを配信しますが、Marvel社はティーザームービーを複数作り、出演者のインタビューで話の内容が少しずつ判明していったり、わざとネタバレをしたりしています。
これを見た視聴者はどういうことなのか考察をはじめ、興味をつのらせ映画の公開前に話題にしてくれるのです。
効果的なバズマーケティングへのステップ
ティーザー広告
製品の発売や公開前に断片的な情報だけを打ち出し、消費者の興味を引こうとする広告手法です。映画やテレビで見る予告などはティーザーの代表例で、視聴者にそのものへの興味を持ってもらうのが目的です。
信頼感
ティーザーで興味を持ってくれた消費者が、製品を使用した時に思わず人にお勧めしてしまいたくなるよう、製品が期待通り、またはそれ以上だったと思ってもらうため、ティーザーで得た情報をよく調べて、不足があれば改善して製品やブランドへの信頼感を高めます。
公開
製品やサービスを市場へ露出させます。この段階で、ティーザーでの反応を踏まえ、人々の需要がどれほどあるか、また今後増加した際にを対応できるよう流通戦略を練り上げます。
マーケティング
この時点で製品の普及を強化するために、一般的なマーケティングの手を借ります。
プレスリリースや試供品の提供、ソーシャルネットワーク上の口コミ、オンライン・オフラインでの広告などを利用します。
コントロール
必要に応じて、マーケティング戦略の監視、分析、修正、強化をしながら、製品やサービスがマイナス面に転じていないか制御します。
バズマーケティングのポイント
コミュニケーション
バズマーケティングは消費者同士で行われるコミュニケーションであるため、誰と誰がつながっていて、口コミがどのように広がっているのか、そして意図しない方向へ転じていないかに集中する必要があります。
満足度
その製品やサービスがパイオニアとなるためには、消費者の満足度が高くなければならないので、製品やサービスが何らかの面で優れていなければなりません。
普通で当たり前で、既にある物の場合バズマーケティングは機能しないでしょう。
優位性
新しく提供された製品が、機能や性能やデザインなど何かがすでにある製品より優位になったときに口コミは拡散されます。
たいていの場合その何かは「クオリティ」であることが多いですが、競争に打ち勝つ方法はクオリティ以外にもたくさんあります。
他と何が違うのか、強みを正しく把握しなければいけません。
ウィルス化による拡散
バズマーケティングは一般的な広告と互換性がありませんので、同時に使用することでお互いを強化し、拡散力を強めることが可能です。
インターネット
インターネット上のオンラインメディアをよく観察してバズマーケティングを強化します。
オフラインでの口コミよりもオンラインの口コミの方が拡散力が高いのでオンラインで製品について会話がされているか、何について話されているかを知る必要があります。
測定
通常のキャンペーンと同様に、監視ツールなどを使用して、戦略がどのように機能しているか、何が起こっているかを調べます。
何かを変更する必要がある場合は変更することによって変化するであろうその後のことについて良く検討しなければなりません。
バズマーケティングを使用するときの注意
企業にとってバズマーケティングはとても優れた戦略ですが使用するときには注意しなければいけないことがあります。
バズマーケティングの目的は企業やブランドにとってプラスの影響を与えることで、価値を下げることではありません。
バズマーケティングで挑発しすぎて炎上してしまっては元も子もないので消費者を怒らせないように注意することが不可欠です。
無邪気なジョークと思って作ったものが、受けとる相手によっては全く異なる感情、不快感を与えてしまいブランドのイメージを損なう可能性があります。
相手が笑って受け止めてくれて初めてジョークは成立します。
軽い気持ちで和ませようとしたジョークが相手の逆鱗に触れたとき、これは嫌がらせを受けていると感じてしまうのはマーケティングに関わらず人と人のコミュニケーションではよくあることです。
バズマーケティングの失敗例
海外のミュージシャンが音楽フィスティバルをバハマで開催することにしました。
イベントの周知とチケット販売の為に彼らはインフルエンサーにイベントのプロモーションを依頼しました。
バハマで一緒にビデオを撮影し、インフルエンサーのInstagramにアップしてもらったのです。
豪華な別荘や美味しそうな料理と共に紹介されたフェスティバルの動画は次々と拡散され、あっという間に4000枚以上のチケットが売れました。
しかし、実際行われたイベントでは豪華な別荘ではなくテントであること、おいしそうな料理はチーズサンドイッチだけであることが参加した人々によって判明します。
それだけでなくフェスティバル会場は携帯の電波も届かず、公衆トイレや水道も無い孤島だというのです。
ビデオの内容は完全な詐欺であるとソーシャルメディアに拡散されたのは言うまでもありません。
この真実が全体に広まり、参加する予定だった人々がキャンセルをし、参加した人たちは返金を求めました。
結果、企画した企業は倒産し、企画者は6年の刑を宣告されたのでした。
初めからだますつもりで計画していたのか、純粋に音楽の好きな人たちで集まって、楽しく騒ごうと計画していたのか本当のことはわかりません。
ただインフルエンサーを使ったビデオ広告さえ間違えずに使えていたら後の悲劇は防げたはずです。
バズマーケティングの欠点は「ユーザー同士のコミュニケーションの為、コントロールができない」「製品がウィルス化し、口コミに発展させることの難しさ」「消費者への高い依存」があります。
バズマーケティングは世界中の人々に話題として広告の効果をあげることができますが、消費者の期待に合わない場合、消費者は騙されたと感じ、企業に対する不信感を募らせ、ブランドにとって大打撃を与えます。
消費者にとって何が価値あるものか、流行にもアンテナを張り巡らして戦略を立ててください。
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
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