ペルソナ?
「ペルソナを設定して
それを元にマーケティングを展開したい」
なんて部下に言われて、
「……ああ、うん。ペルソナね。
ペルソナ。いいよね。
何とも言えないあのフォームがさ」
なんて適当に返事をして
微妙な顔をされた経験ありませんか?
もしくはふんわりした認識で
「ペルソナを設定したマーケティング」
をよそから安請け合いしてきた上司や
営業に頭を抱えた経験は?
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)とは?
「商品、サービスを提供していく
顧客の中で、最も重要度の高い
架空の人物モデル」と、それを
活用したマーケティングのことです。
分かりやすく言いますと、
恋人へサプライズプレゼントを贈るために
恋人の趣味、今欲しがっているものの中で
相手の収入から考えて手の出しにくいもの
等をリサーチしていくアレです。
大変ですよね。
毎年、誕生日の3か月前とかに
聞き込み始めていざ当日贈ったら
「あ、これおととい買っちゃった。
でも色違いだし嬉しいよ。ありがとう」
とかね。
喜ばれるはずが
逆に気遣われちゃったりして。
せめて誕生日月は
趣味の物を買うのは控えてほしいものです。
さて。
よく似た用語として、
ターゲットマーケティング
という用語があります。
2000年代以前、
インターネットが普及しておらず、
人々の暮らしの多様性もまだそこまで
広がっていなかったころであれば
大まかな年代層、
性別のみのターゲッティングで
十分賄えていました。
新聞やテレビで大衆に
向けたCMを打つだけで
事足りていたんですね。
しかし、インターネットの
普及と共に様々な情報や価値観の
共有が可能になった現代では、
それだけの定量的な情報
では市場の動きを予測できなくなってしまいました。
そこで、ペルソナマーケティング(Persona Marketing)によってより具体的な架空の個人を設定し、ターゲッティングすることが、様々な企業に求められることになりました。
恋人のプレゼントといえば指輪やバッグ、ネックレス、時計などの装飾品を買っておけば良かった時代から、恋人本人に「何が欲しいか」をリサーチする必要な時代に変わったということです。
いくら高級でもシンプル志向な女性にピンクのハートのネックレスを、現場業務の男性に仔牛革の名刺入れを贈っても本人が求めていなければ意味がないのですね。
次から、ペルソナマーケティング(Persona Marketing)の具体的な運用方法、メリット・デメリットについてお話していきます。
そもそも、ペルソナとは?
本来、「仮面、もしくは人物の表面的な人格」という意味を持つペルソナ(Persona)ですが、マーケティングの現場においてはサービス・商品の典型的な人物像のことを指します。
ペルソナは、年齢、性別に始まり、住所、年齢、ライフスタイル、職業、趣味、年収、果ては家族構成、生い立ちに至るまで事細かに設定されます。
後述しますが、これらの情報は大きく分けてデモグラフィックとサイコグラフィックの二つに分けられます。
デモグラフィックと、サイコグラフィック。
いきなり聞いたことのないような専門用語が出てきましたね。
マーケティングを勉強していると、いきなり知らない単語が当然のように出てくることがあります。
しかもその意味が分からないと文章が繋がっていかない。
単語一つ調べていたはずがほかの単語も調べないといけなくなり、また更に別の単語を……というような、まさしく悪夢のマトリョーシカ状態。もはや最初に何を調べていたのか分からない。
ご安心ください。
この記事はそんなあなたの味方です。
きっちり説明させていただきます。
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)の運用方法
プロジェクトによっては、企画の段階から既に売り出したい商品イメージや販路が大まかに設定されている場合や、ゼロからスタートすることがありますね。
どの場合においても、ペルソナを設定するには先ほど軽く触れたデモグラフィック(属性情報)とサイコグラフィック(心理情報)をリサーチ・設定していく必要があります。
デモグラフィックとは?
年齢、性別、家族構成、所得、職業、学歴などその人の外面的な情報です。
ペルソナを設定する際には、まず顧客情報をその商品に合わせて細分化(セグメント)し、このデモグラフィックを設定してからサイコグラフィックを分析していきます。
サイコグラフィックとは?
性格、趣味、ライフスタイル、価値観等の等の内面的な情報です。
アンケートなどの市場調査、ユーザーとのデブスインタビュー(インタビュー調査の手法の一つ。じっくり一対一で話していくのでユーザーの人となり、込み入った事情なども聴きだしやすくなります)などを行いながら情報を引き出し、設定していきます。
ペルソナの作成において、重要なのはサイコグラフィックのほうですがサイコグラフィックの正確な設定にはその分だけ時間とコストが必要になります。
行動パターン一つ取っても、一日の行動をただ書き起こすのみではなく「何故その行動を取ったのか」「何故その選択をしているのか」を意識して着目していく必要があるのですね。
例えば、朝は身支度のみを整え、朝食は食べずに出発する人がいたとして、ペルソナの作成においては何故朝ごはんも食べず身支度のみしかしないのか?の部分を考えていきます。
その理由が朝ご飯を食べたり簡単な家事をする分の時間も寝ていたい、というのならその人は少しだらしない人物になりますし、
朝はお腹が空かないから、と言うなら長年の生活習慣から朝にお腹が空くことがなくなってしまったのかもしれない、と考えることができます。
そのあたりの詳しいやり方を、次でご紹介していきます。
ペルソナの作成方法
ペルソナの作成は、大きく3つの項目に分類できます。
・情報収集
・データ分析
・情報整理
です。
一つ一つ、解説していきましょう。
‐情報収集
何はともあれ、最初に必要なのは商品のターゲット層の選択です。
街頭調査やインターネット上をはじめとするアンケート、会社の顧客情報(特に過去や現在類似品を購入している顧客情報)、グーグルアナリティクスなどのサービスを利用した、会社のサイトに訪れたユーザーのアクセス情報の解析、また、コストは相応にかかりますがユーザーインタビューも効果的です。
最近は街頭調査を装った詐欺が横行しているので、実際に行うならインターネット上でのアンケート、アクセス情報解析がユーザーにも警戒されにくいかもしれません。
‐データ分析
集めた情報をそれぞれの収集方法ごとにまとめ、多角的に分析してきます。
本来50代の女性に向けた商品を販売していて、実際に50代の女性からの支持を得ていたがよくよく調査すると実際は30~40代の女性に良く売れていた、ということもあります。
こうした認識のズレの原因も見直しつつ、展開したい商品の情報も絡めながらより詳細に分析していきます。
この時に、商品を購入した層のみではなく、商品を購入するに至らなかった、もしくは会員登録をしたはいいが、早々に退会してしまった層の話にも耳を傾けると、担当者の予想外の問題が分かることもあります。
得た全ての情報を元に、すでに展開されている商品の方向性を見直していくことも、マーケティングにおいて重要ということですね。
‐情報整理
データ分析で精査された情報を元に商品にとって最も厚い顧客層のデータを中心に整理していきます。
「最も売れてほしい顧客層」といった、販売側の主観を入れるのではなく、現実的に「最も売れている顧客層」を見つめなおすことです。
ピンクのハートのネックレスは女の子っぽくてかわいいから世代関係なく売れるだろうと思っても現実はクリスマス前の焦った男か本当に若い10代の女の子くらいしか買わないのです。
精査されたこれらの情報を元に、まずは
・名前
・年齢
・性別
・職業
・住所
・収入
・家族構成
・ライフスタイル(平日・休日ともに)
・消費の価値観
・使用しているツール(デバイス、ソフト共に)
を設定していきます。
それを元にどんどん枝葉を伸ばしていき、より精密なペルソナを作成していきます。
先述しましたが、「何故その行動を取ったのか」「何故その選択をしたのか」を客観的に考えてくのが大切です。
これは個人で考えていくには当然限界があるので、様々な価値観を持ったチーム全体で考えていく必要があります。
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)のメリット
ターゲットマーケティングでは絞り切れなかったり共有しきれないターゲットの顧客イメージをより具体的に共有できます。
プロジェクトの方針設定の決定も、ターゲットが明確になる分迅速になりますし、販促手段や販促地域を詳細にイメージでき、業務の工数やコスト、予算の無駄を削減することができます。
また、外部の人間にも正確なイメージを伝えやすく、プロジェクトが大きくなるにつれて発生しやすくなる方向性のブレが極めて少なくなることで、商品の完成度も上がります。
大企業勤めのイケメンが揃うから、と意気揚々と合コンに行ったら実際は大企業に出向しているだけの中小企業勤めの清潔感はあるフツメンでした……というような悲劇も起こらないわけです。
商品の完成度が上がり、ターゲッティングした顧客層に受け入れられることで、それまで顧客層から外れていた、いわゆる潜在顧客の目にも商品が止まるようになります。
最近人気らしいし少し買ってみようとなるわけですね。
そこから長期顧客に転じるか、一見さんで終わるかは商品とその顧客の相性次第ですが、受け口が広ければそれだけ長期顧客に転じてくれる潜在顧客の人数も増えるというものです。
価値観の多様化とニーズの多様化が進んでいく中で、ユーザーの本音を理解し、コミュニケーションを深めていく為にも効果的です。
ただ、下手に知ったかぶったり下に見たままニッチな領域に踏み込んでしまうと、顧客を獲得するどころか逆にそこを見抜かれて、炎上してしまい、今までいた顧客も離れて行ってしまうという骨折り損のくたびれもうけになってしまいかねません。
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)のデメリット
ターゲットを具体的に決定するということは、ターゲッティングが本来の顧客とズレればズレるほど顧客のニーズから離れたマーケティングを行ってしまう可能性があります。
ですので、最初は大まかなペルソナでも構いません。
そこから繰り返しアンケート、口コミ、SNSのつぶやきなどから実際の市場を調査し、より精密なペルソナを絶えず作り上げていくことが大切になります。
この調査の段階で、調査方法の偏りや担当者の「こうなってほしい」という思い込み、「きっとこうだろう」という先入観によって間違ったペルソナになってしまうこともあります。
逆に、当時正確なペルソナを作っていたとしても1年も2年も前に作成したペルソナをそのまま流用し続けると、流行や時事、それぞれの経済状況の変化に着いていくことができず、思ったような成果を出せないというようなことになったりもします。
また、ペルソナマーケティング(Persona Marketing)の、「ターゲットを極めて限定的に絞り込む」という性質から、身動きが取り辛くなり、多角的な戦略を取りにくくなるなってしまうことがあります。
適切なペルソナの運用をしていたとしても突発的な流行から予測していない層の顧客から予測もしていない需要が発生する可能性もあります。
アイドルが使用していた、アニメやゲームのモチーフになった、などですね。
予想通りに販売推移を辿っていたはずが急に伸びるなど普通では考えにくい現象が起こったら、SNS等で現在の流行を探りそれに適した対応を取ることが大切です。
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)の意義
ペルソナマーケティング(Persona Marketing)は、様々な手法で取得した情報を元に代表的なモデル「一人」を対象に展開していきます。
極めて狭い範囲を対象としているように見えるその実、そのたった一人のモデルの背後にいる、無数のモデルに近しい位置にいる人たちに、そしてその周囲に働きかけるのです。
各企業がSNSにアカウントを作り、顧客たちや未来の顧達とコミュニケーションを取ることが当たり前になった現代で、このマーケティングの手法について再度見直してみるのが、企業の成長への一歩なのではないでしょうか。
頭一つ抜けたマーケティングとなります。
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